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はじめに
例えばExcelシートのA列に沢山の数値セルがあって
「全てのセルの数値に100足したい・引きたい」
「全てのセルの数値を-1倍して正負反転したい」というのは、実務でもよくあることだ。
この場合どうするか。
実はこういった問題には、Excelの「形式を選択して貼り付け」機能が役に立つので、以下で紹介していく。
形式を選択して貼り付け
Excelで、セルをコピーしてから貼り付けするに当たっては「形式を選択して貼り付け」コマンドがある。
コピーしたのを単に貼付けるんじゃなくて、文字通り貼付けの形式を選ぶのだけど、これができなければ給料泥棒だ。
このコマンドは、リボンの「ホーム」から開けるみたいだけどそんなのは忘れて、自分オリジナルのリボンとかクイックアクセスツールバーに追加しておこう。
リボンへの追加方法についてはこちら。
そしてショートカットキーとしては
Ctrl + Alt + V
だ。ただこれは、ちょっと指を3つのボタンに運ぶのが面倒な感じなので、私はツールバーからやることが多いけどね。
で、「形式を選択して貼り付け」の中で最もポピュラーなのは「値」とか「数式」にチェックを入れて、値のみ・数式のみ貼り付けるコマンドだろう。
しかし図の①にある「数式」や「値」「書式」については、それ単体の機能のリボンやクイックアクセスツールバーを設置できるようになっている。
そしてそれらは、Excelの機能全体で見ても最重要に分類されるコマンドなので、必ずリボンやクイックアクセスツールバーに設置しておこう。
ここで「形式を選択して貼り付け」コマンドの下半分には、図の②に示す「演算」等の色々なチェック項目があり、ここを使ったことがない人も多いと思うが、それは非常にもったいない。
そして②にあるチェック項目は、それ単体の機能で紹介されることが多いように思われるのだけど、実際には①部分の「値」とかのチェック項目との合わせ技で使うことが多いので、そのやり方を紹介していく。
では冒頭の問題で、「A列の全ての数値セルに100足したい」という場合。
というのでも正解ではある。
ただ、計算式を書いたり作業列を始末したりするのが手間で、もう少し作業を省きたい。
加減乗除の演算貼付け
では、「形式を選択して貼り付け」を使った技。
別シートにでもどこでもいいので作業用のセルを一つ用意して(作業列の始末が面倒といったそばから・・・)、そのセルに「100」を入力し、それをコピーしよう。
そして、目的の数値セル全てを選んで「形式を選択して貼り付け」コマンドを開き、「値」と「加算」にチェックを入れ「OK」を押そう。
これで、貼付けしたセルの数値全てに100が加算された状態になる。
この「加算」というやつが、コピーされたものを単に貼付けるのではなく、加算して貼付ける(まんまと言えばまんまだが)というコマンドだ。
後は推測で分かると思うが、作業セルをコピーして「値」「減算」にチェックを入れて貼付ければ、貼付けしたセルの数値全てから100がマイナスされる。
「乗算」なら掛け算(100倍)、「除算」なら割り算(100分の1倍)だ。
もちろん乗算や除算の場合、特に消費税とかの場合は、小数点以下の四捨五入だの切り上げ切り捨てだのまではこの機能ではできないから、そこは素直に作業列を使ってROUND関数とかで処理しよう。
そしてこれら加減乗除の演算貼付けを使う場合、ほとんどの場合は書式とかまでの貼付けは不要で、値だけを加減乗除すれば良いはずだ。
だから「値」にもチェックを入れるのだ。
この加減乗除の演算貼付けは、「値」チェックボックスとの合わせ技で使うくらいだろう。
「数式」など他のチェックボックスと組み合わせた場合は、・・・こんなの誰が使うんだというようなコマンドになり、わざわざ書くほどのものでもないと思うので、興味があれば各人で試してみると良いだろう(投げた)。
「空白セルを無視する」コマンド
これは「貼付け元のセルの中に空白セルがあったら、それは貼り付かないように除外して、貼り付けしてくれる」コマンドだ。
といっても、わけが分からないだろうし、使える場面があるのかという感じだろう。
私がこのコマンドを使う用途として最も多いのが、「貼付け先の計算式を消さないようにして、値のみ貼付けしたい」という場合だ。
たとえば下図では、データ項目の並びがだいたい似ているファイル01とファイル02がある。
ちょっとした経理のお勉強だが、損益計算書という帳簿においては、
「売上総利益=売上高-原価」
「営業利益=売上総利益-販管費」
という関係がある。
それを計算する式として、ファイル02の4行目(売上総利益)・6行目(営業利益)には「=C2-C3」のような引き算の計算式が入っている。
それに対しファイル01は、会計システムから取得したファイルで、計算式は入っていなくて全て単なる数値が入っている。
ここで、ファイル02のB2セル~D6セルにファイル01の数値を貼付けたい場合、ファイル02の数式を損ねずにやりたいわけだ。
もちろん普通に貼付けると、それは適わずファイル02の計算式は消されて、単なる数値に変化してしまう。ではどうするか。
まずファイル01のC列・F列が、貼付けには邪魔なのでDeleteキーで削除しておく。
そしてファイル01のB2セル~D6セルをコピーして、ファイル02に移動し「値」と「空白セルを無視する」にチェックを入れて「OK」とする。
こうすれば、貼り付いてほしくないセルを避けて、必要なセルだけを貼り付けることができる。
わざわざファイル01のB2セル~D6セルを削除する手間は掛けているが、私が実務でやる場合も、こんな感じでやることが多い。
「行列を入れ替える」
これは結構よく紹介される、重要度の高いコマンド。
文字通り、格子状の表とかについて、縦横を入れ替えた状態にしてコピペできる機能だ。
先ほど用いた損益計算書の表において、コピー→「行列を入れ替える」にチェックを入れて貼り付ければ、縦横を入れ替えた表になって貼付けられる。
この機能については「値」の項目にチェックを入れないこともよくある。
そうすれば、計算式についてまでも、縦横計算を適切に入れ替えた式に変化してくれるからだ。
もちろん計算式とか不要で、単に値だけの表について縦横を入れ替えたいというなら、「値」の項目にチェックを入れてからやれば良い。
リンク貼付け
これも結構便利な機能だけど、詳説には文章が長くなるから個別記事を書いてあるので、そちらを参照して下さい。
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