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「関数の挿入」ボタンの概要
Excelには「fx」とか書かれたマークで「関数の挿入」ボタンというのがある。
初心者はこれを、親切なナビゲーション機能と思って多用するのかもしれないが、はっきり言って親切でもなんでもない。
このボタンは早急に封印して、使うのをやめよう。
ある程度以上の腕前の人は、このボタンは使わないので、そういう人達から見ると多分まどろっこしくて苛々してしまうだろう。
今回の記事では、この上達の妨げになる余計なお世話なボタンを利用されている方向けに、なぜこれを使ってはいけないのか説明していく。
それにより、関数の使い方などを自分で考え正しくExcelを使っていけるよう導きたい。
いきなり存在を否定するようなことを言ったけど、一応、この「関数の挿入」ボタンの使い方をば。
「関数の挿入」ボタンを押すとまず、関数の一覧の画面が出てくる。
関数の分類すなわちカテゴリをまず選んでから、関数を絞り込んでいくこともできる。
関数を選んだら、関数の中にはこういうもの(引数という)を入れていくんだよというのを、いかにも親切にナビゲートする画面が出てきて、この中に数値やらセル番号やら入れていけば良い。
「関数の挿入」ボタンを有効活用できる場面
「関数の挿入」ボタンは基本的には封印すべきだけど、自分のやりたい目的に対する関数にどんなものがあるか自体に見当がついていない場合なら、このボタンを使うのも非常に有効だ。
この画面で出てきた関数の一覧から、自分の目的に合いそうなものを探していけば良い。
私も、使うべき関数の見当がつかないときは、やっぱりそういう場面はある。
あと、馴染みのない方も多いだろうが、Excelではマクロによって、関数を自作することができる。
まあ私もやろうと思えばできるが、実際には全然やらないけど。
会計システムなんかでは、そういうオリジナルのExcel関数を提供してくれるところもあり、そうなるととても覚えきれないので、そういうときは私も「関数の挿入」ボタンを大いに用いる。
「関数の挿入」ボタンは使わない。セルに直接入力していく。
しかし、SUM関数だのVLOOKUP関数だの、日常的に息をするように使いこなさなければならない関数において、この「関数の挿入」ボタンを使っているようではいけない。
たとえばSUM関数とかSUMIF関数とかを使うにしても、セルに「=su」まで入力した時点で、スマホの入力補完機能なみに候補が親切に一覧に並んでくれる。
Excel2003まではちょっとここまで親切じゃなかったけど、Excel2007以降はこれが充実している。
そして、一覧の中で使いたい関数にカーソルを合わせたらTabキーを押して、決定しよう。
たとえばSUMIF関数を選んだなら、<範囲,検索範囲,合計範囲>の順に入力するんだよという順番をきちんと、文字に書いて教えてくれる。
これがあれば、先ほど述べた「関数の挿入」ボタンにおけるナビゲート画面の代わりに十分以上になる。
なぜ「関数の挿入」ボタンではいけないのか
でもそれなら、「関数の挿入」ボタンを使っても使わなくても、大した差はないと思うかもしれない。
しかし、「関数の挿入」ボタンで関数を呼び出すのは、まず操作に時間が掛かりまどろっこしい。
次に「関数の挿入」ボタンによるナビゲート画面から引数を入力していくのは、関数を組み合わせて使う場合などにはだいぶ不便なのだ。
たとえば、計算結果数値が正か負かの結果をIF関数とSUMIF関数の組み合わせで返す
=IF(SUMIF($A$3:$A$8,$B$3,$C$3:$C$8)>0,”正”,”負”)
というような計算式を「関数の挿入」ボタンで組み立てる場合。
まずIF関数を「関数の挿入」ボタンで作るわけだが、そうすると、IF関数の中に入れる(ネストするとかいうが)SUMIF関数の方については、何を入れて良いかヒントを表示する術がないはずだ。
これが、セルに直接入力するやり方なら、IF関数内のSUMIF関数にも逐一ヒントを表示してくれる。
「関数の挿入」ボタンのナビゲート画面は、肝心なときにヒントが出ず、かえって迷いを誘発するものなのだ。
最後に、SUM関数については初心者は、「なんかΣってマークのボタンを押せば出てくる」くらいに知って真っ先に覚える人も多いのだろうけど、そのΣボタン(オートSUMボタンという)も使わないようにしよう。
SUM関数に関してだけは、専用ショートカットキー Alt + Shift + = があるので、それを確実に使いこなせるようにしよう。
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