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参照元のトレースと参照先のトレース~似た言葉の機能~
Excelで「参照元のトレース」「参照先のトレース」という機能があるのはご存知だろうか。
聞いたことくらいはあるけど、実際どういう機能なのかがよく分からないという人も多いと思う。
要は、
参照元のトレース
→計算式においてどのセルを使っているか調べる機能
参照先のトレース
→計算式においてどのセルから使われているか調べる機能
リボンやツールバーのボタンのデザインとしては下図の通りで、図中の四角形の位置構成が違うのだが、そんなに大きく分かる違いではない。
私もこれらをマスターするのは時間が掛かった。
まず「参照元」「参照先」という言葉が堅苦しいし、言葉が似通っててどっちが何の意味を示すのか直感的に分かりにくい。
要は、反復して使うかどうかであって、日常的に意識して使うようにさえなれば覚えられるのではあるが。
でもこれらを知ると知らないとでは大きく違う。
これらを知らないようでは、給料泥棒の二歩くらいは手前のレベルだ。
この記事では、これらの機能を少しでも苦しまずに覚えられるような記述を、書いてみたいと思う。
まずは参照「元」のトレースから
もう語感が似ているものを2つ同時に覚えるのは難しいので、まず「参照元のトレース」だけ覚えて、「参照先のトレース」は捨てる(余裕が出たとき覚える)作戦で行って良いと思う。
かくいう私自身、使うのは「参照元のトレース」の方が9割以上で、「参照先のトレース」は使用頻度がだいぶ少なめだ。
そして、これらトレース機能をまともにExcelのリボンから使おうとすると、「数式」のタブから使うことになるが、そんなまどろっこしいことでは話にならないので、クイックアクセスツールバーに組み込むようにしよう。
そして、頻繁に反復して使うことがキモなので、日常的に意識して使うようになっていこう 。
さて、もう長い用語を何度も書いていると、本当にどっちがどっちか混乱してくるので「元トレ」「先トレ」と略すことにする。
略してもややこしいけど、色分けもしてるので、これで何とかならないだろうか。
具体例
以下、会社とかにお金を出資する事例で語ってみる。
私が投資に熱中し出していることからそんな事例にしているが、かえって分かりにくいというなら申し訳ありません。
まず「元トレ」は、
「私の会社はAさんとDさんの出資で出来ています。AさんとDさんはこの人たちです」
と指差すイメージだ。
アホみたいな文章だが、要するにそのレベルだ。
「AさんとDさん」というのは既に文中で述べられていて、それを具体的に指差しして見やすくするだけのことだ。
元トレとはこの出資「元」を示している。
上図では、E1セルに「=A1+D4」という式が書いてある。
つまり前述の例文の「AさんとDさん」の部分だ。
もっと複雑な式だったりすると、A1とかD4とか結局どこのセルなのか、視覚的に確かめたいという話になってくる。
そのときに「元トレ」のコマンドを使ってみよう。
E1セルの計算式において書かれているA1セル・D4セルというのが、青い矢印を伴って視覚的に表示される。
このように、計算式においてどのセルを使っているかを示すのが「元トレ」だ。
次に、上図の「=D1+シート2!A1+シート2!A2」という式のように別シートを参照する計算式の場合、別シートの参照については黒い破線の矢印が表示される。
そして、線が細くてちょっと難しいけど、その黒い破線をダブルクリックすると、該当の別シートにおける参照先を一覧にした画面が出てくる。
これは、以前の記事でも紹介した「ジャンプ」機能の画面(の中でも、非効率的と思われる方の画面)だ。
該当する参照先が複数ある場合は、複数の選択肢があるので、目的のものを選んで「OK」を押せば良い。
といっても、この画面が小さいし、見づらくてやりにくいとは思うが。
「元トレ」機能の用途
結局、この「元トレ」をどのように有効利用するかというと、私は主に、一見しただけではどのセルを参照しているのか分かりにくい複雑な計算式をひも解く時とかに利用している。
上図では、利息を計算する小難しい計算式があちこちに入っていて、「=IF($C9=””,0,$E9+$F9+$G9)」とかいう式が表示されているけど、この無味乾燥な文字の羅列を見ても直感的に分かりにくい。
そこで「元トレ」機能を使えば、数式で使用されている$C9セル・$E9セル・$F9セル・$G9セルという場所に青の◯印が付いて、視覚的に分かりやすくなる。
計算式の設定を間違えたかなとかいうときも、こうやって、計算式で利用しているセルを辿るのに有効利用できる。
「元トレ」の機能を知らずに、必死に計算式の文字列と睨めっこばかりしていて、計算式解析の能率を下げ時間を掛けていてはいけない。
「元トレ」についてはこのくらいとして、残る「先トレ」については次回の記事で取り上げる。
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