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前回の記事で、Excelの「テーブル」という表を、ひとまず作ってみるところまで書いた。
それでは「テーブル」を作ると、普通のExcel表と比べどのようなメリットがあるか、列挙していく。
詳細は別の記事でも書こうと思うので、なるべく簡単にまとめるだけにするけどね。
計算式での参照を分かりやすくできる(構造化参照)
上図の表で、「金額」の合計を出そうとした場合、普通は「=SUM(C2:C10)」といった計算式を入れることになる。
こういうExcelでお馴染みの「C2:C10」という記号による表記って、本当に正しく指定できてるのか分かりにくく、不安になるだろう。
これが、表を「テーブル」に変換した後だと、
上図のように[金額]という見出しの文字が、計算式中に入ってくれる。
「C2:C10」とかいう無機質な文字で見るより、はっきり分かりやすい表記になってくれるわけだ。
こういうのを構造化参照とかいうけどね。
今回の場合は、「金額」列全体の数値を数式中で参照したいわけだけど、そのためには「金額」の見出しであるC1セルを、マウスカーソルが下向き矢印になったところでクリックすれば良い。
ピボットテーブルの扱いが格段に容易になる
Excelの「ピボットテーブル」「テーブル」は一応別物だが密接に関連すると、前回書いた。
ピボットテーブルは、積極的に使うべきながらも敬遠されやすいツールなのだが、「テーブル」を使うと途端に扱いやすさが増すのだ。
テーブルを先述の手順で作ると、「テーブルツール」―「デザイン」というリボンが自然とアクティブになる(Excelのバージョンによっては単に「テーブルデザイン」という名前だったりする)。
この左端に「ピボットテーブルで集計」というボタンがあるから、これをクリックしよう。
すると、いま作っていたテーブルをデータ範囲としてピボットテーブルを作るようメッセージが出るので、素直に「OK」を押す。
ピボットテーブルの作り方については、イマイチ分からないという人も多いだろうが、もうこの手順だけを覚えておけば良い。
すなわち
→すぐ「ピボットテーブルで集計」を押す。
これだけだ。私もピボットテーブルは、絶対にこの方法でしか作らないようにしている。
ピボットテーブルにおいて厄介なことの一つとして、データの行数が100行→110行に増えるなど変動した際に、正しく反映させられるよう対策を取るのが難しいというのがある。
そのためにOFFSET関数とかCOUNTA関数とか組み合わせたテクニックが紹介されてきているのだけど、テーブルを使えばそんな小難しい技術は必要なくなるのだ。
テーブルは、行数が増えても、その増えた行ごと全体をひと固まりとして見てくれるので、それが自動的にピボットテーブルにも反映されるのだ。
まあこの辺りは、実際にピボットテーブルを作って苦労した人じゃないと、ちょっと分からない話かもしれないけどね。
とにかく、取り敢えずピボットテーブルを作ってみるくらいなら、上記の簡単な手順で機械的にできるということだけでも覚えておいてほしい。
その他、テーブルのメリット
その他にもテーブルのメリット・特徴は色々とあるけど、ざっと書き並べるだけにしておきます。
詳細はおいおい、別の記事で書いていきます。
INDEX+MATCHをフル活用できる
VLOOKUP関数は、初心者向けだが不便な点も多い関数だけど、これはもう「テーブル」においては、不便を通り越して要らない子になる。
代わりにINDEX+MATCH関数は、普通だと難しくて敷居が高い組み合わせ関数なのだけど、テーブルにおいて使うと途端に分かりやすくなり、もうこれしか使う気にならなくなる。
後は、まだ現時点では一部バージョンのExcelにしか導入されていないXLOOKUP関数というやつ(VLOOKUPとかの進化版)なら、INDEX+MATCHと同様にテーブルのメリットが享受できる。
「タイトル行を除いて、データの列全体に書式設定をする」ことが簡単になる。
Excelの表って普通は、データ数が不定の場合は、タイトル行の1個下~Excelの一番下の行(1048576行目)まで広く書式設定をする必要があって、面倒だ。
でもテーブルの場合は純粋に、データが存在する範囲内だけに書式設定すれば良い。
データが10行しかないなら、10行だけに書式設定しておけば、その後でデータ数が増えても自動的に反映されてくれる。
といった感じ。
テーブルのデメリット
テーブルは強力な機能で、使うとやめられなくなるが、結構デメリットもある。
これは多分、突っ込んで解説してるサイトとかはそうはないと思うけどね。
イメージもつかないと思うけど、これもまたここでは、文字でざっと書き並べるだけにします。
なんと言っても馴染みのない人には難しい
テーブルは比較的新しい機能で、使い慣れない人も多い。
また作り方によっては、外見だけでは通常のExcel表と見分けが付きにくく混乱を招くようなテーブルも、たまにある。
普通のExcel表とは違う扱い方をしないといけない点があるので、他人へ配布する場合は説明が必要な場面も多いだろう。
列の幅や行の高さの調整が難しい
テーブルは、行や列の挿入を迂闊にやると、列の幅や行の高さが妙なことになる性質がある。
慣れててもここは結構、混乱することがある。
データ行の削除は面倒くさい
テーブルでは、100行あるデータを10行に減らそうとかいう場合、普通のExcel表みたいにDeleteキーで消すだけでは不十分で、不要な90行を行ごと削除する必要がある。
これを毎回やるのは、分かってても面倒だ。
だから私は大抵の場合、テーブルの行削除用のマクロを組み込むことにしてて、それもまた面倒な思いをしてる。
相対参照は苦手
普通の計算式で「$c2:$C100」とかいう相対参照の式を書いたら、この式を横方向にコピーしていけば、式の参照を横方向にズラしていくことができる。
でも、先述したテーブルの「構造化参照」の式では、これができない。
テーブルは、相対参照の計算式が苦手だ。
その他、独自の機能制限がある
Excelブックに、テーブルをシート分けで幾つも作ったとして、それらシートを一気に別ブックに移動しようとすると「テーブルを含む複数のシートをコピーまたは移動することはできません。」とかいうエラーメッセージが出る。
このような、一種独特の機能制限が、テーブルには掛けられているところがある。
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