Excel 「リンクされた図として貼付け」機能 リンク貼付けと混同しないように

Excel これができなきゃ給料泥棒

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はじめに

Excelというのはとにかく、良くも悪くもセルに束縛されるソフトウェアだ。
一つのシート内に、幅とか高さの違う表をあれこれ複数セットしようとして、Excelの行とか列に縛られてしまい上手くいかない経験は誰しもあるだろう。

恐らく貴方の職場でも、Excelを使う苦労をロクに分かろうともしない上司とかが、幅のまちまちな表をあれこれ1枚の用紙に盛り込めとか無茶なことを言って、貴方を悩ませてくるのではないだろうか。

そのような、幅とか高さの違う表を複数扱う時に有名なテクニックが、「リンクされた図として貼り付ける」という技だ。
これを覚えておけば、Excel資料作成における上司の無茶振りに対して、ストレスをけっこう軽減できることと思う。必ず覚えておこう。

クイックアクセスツールバーに配置

このコマンドは、なぜか「形式を選択して貼付け」コマンドからは実行できない。

そんでデフォルトのリボンからは「ホーム」タブの「貼付け」コマンドからやれるみたいだけど、そんなのはまどろっこしいので、必ずクイックアクセスツールバーに組み込んでおこう。方法はこちら

Excel「形式を選択して貼り付け」機能の便利技

Excel2010以降 クイックアクセスツールバーのカスタマイズ

「リンク貼付け」とは違う

そしてもう一言。この「リンクされた図として貼付ける」コマンドの他に、「リンク貼付け」という似た名前の技があるが、これらは全く別物だ。

リンク貼付け」の方については個別記事を書いているが、要は例えばA1セルをコピーしてから「リンク貼付け」をすると「=$A$1」という数式が貼り付いてくれるという技だ。
あくまで数式の技であって、図とは無関係だ。

それに対して「リンクされた図として貼付ける」コマンドは、「セル範囲を図に変換して貼り付けて、なおかつ、元のセル範囲に変化があったら貼り付けた図の方にも反映してくれる」技だ。

Excel 「リンク貼付け」について セルの参照数式を便利に入力できる

「リンクされた図として貼付け」例題

ごちゃごちゃ言うよりも、実際の例で。

上図のような横長の表を説明用に盛り込みたい場合、まずこのセル範囲をコピーする。
そして、貼り付けたい大体の場所に移動してから「リンクされた図として貼付け」コマンドを実行する。
リンクされた図として貼付け
そうすると、先ほどコピーしたセル範囲が、図として貼付けられてくれる。
図の形式なので、マウスで引っ張って拡大縮小するも自由だし、移動も自由にできる。

この図は単なる図ではなく、貼付け元のデータ範囲と連動・リンクしてくれてる図なので、貼付け元の数値や書式等が変われば図の方も連動して変わってくれる

そしてこの図をクリックすると、計算式のところに、この図になった元のセル範囲がどこなのかが示されてくれる。
この例だと「=集計!$A$1:$D$5」というセル範囲が貼付け元になっているわけで、これを手打ちで「=集計!$A$1:$E$12」とか書き換えればそれに伴って変わってくれる。

ただ、あまりそういう書き換えとかを何度もやっていると、図が汚くなってくると思う。
そういう時は潔く、この図を一旦Deleteボタンで削除して、もう1回コピー→「リンクされた図として貼り付け」をやれば良い。

類似コマンド「カメラ」

この「リンクされた図として貼り付け」の類似コマンドとして「カメラ」というのがある。
ただこれは、リボンには存在しないし普通にやってちゃ出てこないコマンドで、リボンやクイックアクセスツールバーのカスタマイズにおいても「リボンにないコマンド」から選ばないといけない。

で、そこまでしてこの機能を使う必要があるかというと、別にないと思う。

私が使ってみた感じでも「リンクされた図として貼り付け」コマンドと比べて明確なメリットがあるようには思えないし、むしろ貼付けた図はより汚いことが多いので、この機能は忘れてしまって構わないと思う。

計算結果を確認するのにも使える

さて、今の例題でリンクされた図として貼り付けた元々のセル範囲を、もう一度見てみる。


SUMIF計算式が入ってるけど、要するに、貼り付け先の縦長の表の集計をしてるわけ。
だからこの横長の表を貼り付けることで、計算式の結果をチェック・監視する機能としても使える。

上半分の表について数値をあれこれ書き換えたとき、集計結果がどのように変わるのかを、この貼り付けた横長の表ですぐチェックできるわけ。
資料としての見た目を作るためだけでなく、こういう計算結果チェック用の図としても使える。

おまけ:ウォッチ式機能

今述べた、計算結果のチェック用としての「リンクされた図として貼り付け」機能だが、まあこれは蛇足のような説明だ。
なんでそんな説明を入れたかって、そういう計算結果チェック用の機能は別にあるので一応それを紹介するためだ。
その機能は「ウォッチ式」という機能で、多分けっこうマイナーだろう。

「ウォッチ式」機能を使うにはまず、リボンの「数式」タブから「ウォッチウインドウ」とする。

次に「ウォッチ式の追加」をクリック→ウインドウが出てくるので、そこに、計算結果を監視したいセル範囲を指定すれば良い。

そうすると、ウォッチウインドウという専用ウインドウが最上部に表示され(移動もできるけど)、別シートのセルであろうとその計算結果を常時表示してくれる。

そして、ウォッチウインドウに書かれたセル情報とかをダブルクリックすれば、そのセルにジャンプしてくれる。

・・・と書いたが、この機能も正直、あまり使わなくて良い。いやこの機能が、きちんと正常に動いてくれるのならば使っていけば良いのだが、残念ながらこの機能は、めっちゃ頻繁にバグる

どうバグるかって、なんかちょっと普通に操作をしただけですぐ、さっきまで表示されていたウォッチウィンドウが真っ白になって、何も表示されなくなってしまう。

どういう規則性があるのか分からないけど、本当にちょっとしたことで真っ白になるので、使いたいときに全然使えない。

Excel 2013でやってみても2016でやってみてもこのバグり方は変わらなかった。

そもそも Excel 2013以降は全般的に動作が不安定すぎるのだけどね。
「あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!『おれはExcelファイル01を操作していたと思ったらいつのまにかExcelファイル02を操作していた!』」
というバグに何度遭遇したことか。

だから、この「ウォッチ式」機能を使うくらいなら、「リンクされた図として貼り付け」機能で代用すれば良いと思う。

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