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はじめに
前回の記事では、CtrlキーやShiftキーと上下左右の方向キーを組み合わせて、セル範囲の選択や移動を行うショートカットキーを紹介してきた。
今回は、同じくセル範囲の選択や移動を行うけど、方向キー以外のボタンを使ったショートカットキーを引き続き紹介する。
今回紹介するコマンドは、世間で一般的に紹介されているような挙動をしないことが多い、ちょっと思い通りに行きにくい面倒をはらむコマンドばかりだと思う。
何度も使って慣れて、自分で折り合いをつけていこう。
Ctrl + Home、Ctrl + End は注意が必要
まず、Home・Endキーを使ったショートカットキーから。
ノートパソコンだと、Fnキーと組み合わせないとHome・Endキーは使えなかったりするから、ちょっと厄介だよね。
それはそうと世間では
Ctrl + End:シートの最終セルに移動する
というショートカットキーであるといった紹介がされているように思われる。
しかしこの説明は、ちょっと不足していると言わざるを得ない。
Ctrl + Homeはウインドウ枠の固定の起点セルに移動するショートカットキー
上図では、シートの15行目を行全体選択した状態で「ウインドウ枠の固定」がされている。
その場合、<Ctrl + Home>を実行すると、ウインドウ枠の固定の起点であるA15セルにジャンプすることになる。
また、行全体でなくたとえばC3セルをクリックした状態で「ウインドウ枠の固定」をしていた場合は、<Ctrl + Home>を実行するとC3セルにジャンプすることになる。
<Ctrl + Home>がA1セルへの移動だと紹介する人がいたら、その人は「ウインドウ枠の固定」をあまりしない=ちょっとExcelの気配りが足りない人なのかなと思ってしまう。
ウインドウ枠の固定の記事でも解説したが、<Ctrl + Home>はA1セルにジャンプするショートカットキーではなく、ウインドウ枠の固定の起点にジャンプするショートカットキーだ。
誤解されやすいところだが、覚えておこう。
Ctrl + Endはシートの最終セルに移動するショートカットキー・・・だが
上図において、シートのデータが入った最終セルは、K24セルだ。
ショートカットキー<Ctrl + End>を押すと、K24セルに移動する。
ではここで、上図で選択状態になっている21行目~24行目をDeleteキーで消してみよう。
この場合、最終セルはK20セルになるわけだが、上書き保存をしない状態でもう一度<Ctrl + End>を押すとどうなるか。
上書き保存をしていない場合は、依然として最終セルはK24セルのままであると認識されているため、<Ctrl + End>をするとK24セルにジャンプすることになる。
私がそうなのだが、上書き保存をしない状態で作業をすることが多い人は、注意が必要だ。
そしてこの場合、本当にジャンプしたい最終セルとはK20セルであるはずだが、表の起点であるB14セルを選択した状態からK20セルにジャンプしたい場合はどうするか。
この場合は、
Ctrl + ⬇キー を押し、更に➡キーを押す
という合わせ技でいくのが良いだろう。
まあ、<Ctrl + End>でK24セルにジャンプした後で、ちょっと移動すれば良いだけの話でもあるが。
Shiftキーを押せば、移動ではなく選択のコマンドになる
さて、前回の記事で述べたことと同様、<Ctrl + Home><Ctrl + End>のショートカットキーは、Shiftキーも一緒に押し
- <Ctrl + Shift + Home>
- <Ctrl + Shift + End>
とやれば、ジャンプするのではなく範囲選択するコマンドになる。
Ctrl + Aで表全体を選択
行番号と列番号の交点
シートのセル全体を選択するという場合は、私は専ら、行番号と列番号の交点に位置する□マークを押す方法を多用している。
このやり方は手軽なので、ぜひとも積極活用しよう。
Ctrl+A、Ctrl+* による表範囲の選択
セル全体を選択するショートカットキーとしてよく紹介されるのは、<Ctrl + A>なんだけど、これについても述べておく。
上図では、
②G5~I10セル
③B14~K24セル
と、離れた3箇所に表の範囲を作っている。
表の範囲という言い方が馴染みないかもしれないし、これは別に正式用語でもないが、これはExcelでデータベース的な考え方をするにあたって重要なことだ。
要は、空白行・列を挟まず連続した範囲にデータが入っているセル範囲のことを言う。
・・・サンプルを作っていて気付いたが、C6~D10セルと、G6~H10セルの範囲は、横方向にのみセル結合がなされている。
セル結合というのは、上手い人ほど蛇蝎のごとく忌み嫌う行為なのであるが、そういうセル結合が含まれていても一応、「表の範囲」として認識される。
さて本題に戻って、上図で<Ctrl + A>などの操作をしたらどうなるか。
表の範囲①~③いずれかのセル範囲を選択してから<Ctrl + A>または<Ctrl + *>を押すと、対応した表の範囲全体が選択される。
というようになる。
ちなみにF4~F10セルのいずれかを<Ctrl + A>または<Ctrl + *>を押すと、セル範囲B4~I10が選択されるのだけど、Excelはそういう範囲認識をするようだ。
Ctrl + Aでセル全体を選択する
<Ctrl + A><Ctrl + *>という2通りのコマンドを書いたが、要は「表の範囲」を選択するのにおいて、この2つのコマンドは似た者同士なのだ。
では両者は何が違うか。というか私は<Ctrl + *>なんてほとんど使わないから自分としては正直どうでもいいのだが、一応自分の備忘を兼ねて書いておく。
たとえば上記のやり方で表の範囲①~③のいずれかが選ばれた状態でもう一度<Ctrl + *>を押しても、何の変化もなくそのままだ。
しかし、もう一度実行するコマンドが<Ctrl + A>だった場合は、全てのセルが選択される。
また、A1セルのような何もないセルを最初に選んでおいて<Ctrl + A>をすると、今度は最初から全てのセルが選択される。
これが<Ctrl + *>だったら選択範囲は広がらない。
<Ctrl + A>は、メモ帳ほか大多数のアプリケーションにおいて「全体を選択する」コマンドであるわけだが、Excelの場合はこのようにちょっと異なるわけだ。
何もない場所で実行する・2回連続で実行するなど、ちょっと条件が加わった場合に、セル全体が選択されることになる。
しかし、たとえば上図のA13~A24、A13~K13セルのいずれかを選択した状態からでは、<Ctrl + A>を何度実行しようともセル全体が選択されることはない。
その場合は、セル範囲③が少し拡張されたセル範囲が選択されるだけになる。
まあこの辺りは、マニアックな話だからこれ以上細かくは言及しない(逃げた)。
ただ、そういう風にややこしい点もあるので、<Ctrl + A>コマンドで全てのセルを選択できるという過信は禁物だということだ。
全てのセルを選択したかったら素直に、最初に紹介した、行番号と列番号の交点を選択する方法を使っていけば良いと思う。
上記で述べた、様々な位置のセルを選択した状態から<Ctrl + A>を2回ずつ実行してみた挙動について、動画にしてみたので、参考にしていただければと思う。
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