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はじめに
Excelでは、縦や横に長い資料を作ることがよくある(横に長くするのは基本的にNGだが)。
そういうとき、タイトル部分などは、縦横にスクロールしても常に見えるようにしておくのが配慮というもので、それが「ウインドウ枠の固定」機能だ。
割とガチな人の作っているExcelファイルでも、この「ウインドウ枠の固定」をやるべきだろという場面において、やっていないことが多い。
これは非常に勿体無いことだと思う。
私なんかは99%のExcelファイルについて、「ウインドウ枠の固定」をやると言ってよい。
これをやっとかないと、提出する相手によっては苛々させてしまうかもしれない。
今回の記事では「ウインドウ枠の固定」を周囲の人よりも最短手順で最速実行する手順を述べ、また同機能のあまり知られざる注意点も紹介し、完全に使いこなせるようになっていただこうと思う。
これを確実にマスターして、Excelの基本的な気配りを身につけよう。
ウインドウ枠の固定―固定方法を考えよう
さて、この「ウインドウ枠の固定」だが、どういう「固定」をするのか状況によって判断していく必要がある。
たとえば上図の場合は、スクロールしても常時表示しておきたいのは、上の部分でいうと1~3行目だろう。
で、そこで考えるのをやめる人も多いと思うのだが、左側の部分もどこまでを常時表示すべきか、是非とも考える習慣を付けていただきたい。
この例の場合は、さしずめA列~C列を常時表示すべきだろう。数値の部分がD列から始まっているからね。
「いやA列~B列まででいいよ」って人もいるかも知れないし、状況によってはそれが最適解かも知れないから、ここは本当に正解はなくてケースバイケースだけどね。
操作方法―最短手順でやれるように。
では「ウインドウ枠の固定」をやる操作方法について。
正攻法だけど面倒なやり方
Excel2007以降バージョンについて解説するけど、まともにExcelのリボンから操作するなら「表示」タブ→「ウインドウ枠の固定」として、3つある選択肢から選ぶって手順になる。
でもこれ、3回もクリックしなきゃいけないので、私はこの方法は一切使わない。
「ウインドウ枠の固定」は「値のみ貼付け」と同様に超頻繁使用コマンドなので、そういうコマンドは0.3秒で操作できないといけない。
なんでこんな、選択肢が分岐して面倒なUIにしてしまったんだか。
リボンがなかった頃のExcel(バージョン2003まで)なら、「ウインドウ」→「ウインドウ枠の固定」とすれば良く、妙に選択肢が分岐することもなくて簡単だったのだけどね。
正答:クイックアクセスツールバーのカスタマイズ
というわけで、正解として、クイックアクセスツールバーをカスタマイズしよう。
カスタマイズ方法じたいは個別記事に書いてあるのでそちらを読んでいただきたいと思うが、「ウインドウ枠の固定」コマンドを追加しようと思うと同じ名前のツールバーが2個出てくる。
その2個のうち、上にあるものを選んで追加しよう。
下の方にあるものは、右端に▶マークがあるけど、クリックしたときに選択肢が分岐することを示している。
しかし分岐させてるのが時間の無駄なので、選択肢が分岐しないものを選ぶ。
そしてこの「ウインドウ枠の固定」クイックアクセスツールバーは、必ず左から1番目~9番目のどれかに配置しよう。そして
Altキー + 1~9 キー
のショートカットキーで、0.3秒で操作できるようになろう。マウスでのクリックも原則禁止だ。
固定したい場所をしっかり選択してから実行する
では、このクイックアクセスツールバーから「ウインドウ枠の固定」を実行する場合。
自分の意図したとおりの枠固定をできるようになろう。
最初に言っておくが、ウインドウ枠の固定をするときはクイックアクセスツールバーから「ウインドウ枠の固定」コマンドを実行すればよいし、ウインドウ枠の固定を解除する場合も再び同コマンドを実行すれば良いだけ。
選択肢がいちいち分岐するクイックアクセスツールバーを使ってたらこうはいかない。
行や列を丸ごと選択した場合
上図の例では、上から4行目を丸ごと選択している。
この状態で「ウインドウ枠の固定」をすると、上から3行目までが固定されるようになる。
勿論というか、縦方向は固定されない。
縦方向をフルに選択した状態で「ウインドウ枠の固定」をした場合は、縦方向のみ固定される。
上図でD列をフル選択しているが、この場合ならA列~C列までが固定される。
縦・横の両方向でウインドウ枠の固定をしたい場合は交点を選択する
さて今回の設例では、<上から3行目まで><A列~C列まで>の両方向でウインドウ枠の固定をしたいわけだ。
その場合は、両方の交点となるD4セルを選択してから「ウインドウ枠の固定」コマンドを実行すれば良い。
私がウインドウ枠の固定をやるときは大体、こうやって両方向で固定する。
最初にも述べたが、割とまともに作られたExcelファイルでも、ウインドウ枠の固定の配慮がされていないものは結構ある。
余談1:複数シートに一括でウインドウ枠の固定はできない
この「ウインドウ枠の固定」は、複数シートを同時選択してから一括で実行することはできない。
できそうだけどできない。なんか、シートというよりウインドウに対するコマンドだからって変な理屈で。
どうしてもやりたいならマクロでってことになるけど、そのマクロも割と書くのが面倒な部類になるので、私はほとんどやらない。
余談2:Ctrl+Homeについて
Excelのショートカットキーで、
Ctrl+Homeキー
というやつを、シートの一番左上にあるA1セルに移動するコマンドだと認識しているかも知れない。
だがそれは間違いだ。別の記事でも取り上げているが、この<Ctrl+Home>コマンドは、ウインドウ枠の固定がされている範囲内で最も左上のセルに移動するコマンドだ。
今回の設例ではD4セルを起点として「ウインドウ枠の固定」をやったわけだが、この状態で<Ctrl+Home>コマンドをしたらD4セルに戻るだけだ。
この制約があるので、<Ctrl+Home>コマンドは意外と不便な点があるのだ。
余談3:スクロールができなくなったときはウインドウ枠の固定を疑う
Excelファイルを使ってて、なんかやたら右側とか下の方とかで止まって、スクロールができなくなることもあるのではないかと思う。
そういうときは、ウインドウ枠の固定が間違って設定されていることが考えられる。
いったん、ウインドウ枠の固定を完全に解除して確認・対処してみよう。
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