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はじめに―Excelシートの行・列は、非表示にせず、グループ化しよう―
今回は、Excelのシートで行や列のグループ化をするという技について説明する。
最初に、そもそもこのテクニックを紹介する目的・メッセージとして、
ということだ。
行や列の「非表示」をするくらいなら、「グループ化」を使おう。
以前の記事で、シートの非表示をするというのはほぼ迷惑行為だと書いたが、行・列の非表示というのもそれと同様だ。
よほど見せたくない箇所を完璧に隠蔽したいという場合でなければ、極力やるべきではない。
これは、Excelによる資料作成におけるコツ・心得の一つでもある。
私もたまに、やたらめったら行・列に非表示を掛けられたExcelファイルを渡されることがあるが、そういうのには辟易する。
その辺のことは、また後で述べる。
ひとまず、この「グループ化」については必ずマスターし使いこなせるようになろう。
これができないと給料泥棒だし、ロクでもないExcel資料ばかり作ることになるだろう。
グループ化の操作
例題
例として下図は、部門ごと集計が入ってたり、単価×数量=金額の計算式がE・H・K列に入っている。
動画にする意味もあまりないけど、動画の中で計算式を示しています。
余談だけど、背景色が緑・朱色のセルには計算式が入っています。また文字色が青色のセルは、計算式でなくベタ打ちしています。
グループ化
では上図で、単価や数量は見なくていいから「金額」だけを表示したい、としよう。
この場合、単価と数量の列を選択してからショートカットキー<Shift+Alt+➡>で、グループ化ということができる。
これをやると、上の方に折りたたみ用のボタンが作られるので、それをクリックすることで、不要な部分を非表示にし折りたたむことができる。
また左端に「1」「2」とかいう数字ボタンも作られる。
これの「2」を押せば、折りたたみが解除されて全体表示される。
また「1」を押せば、折りたたみが掛かった非表示状態になる。
それらを、動画にまとめた。
グループ化設定・解除のショートカットキー
そして、このグループ化をした状態を解除するには、ショートカットキー<Shift+Alt+⬅>だ。
グループ化した範囲をいったん選択してから、このショートカットキーをやってみよう。
<Shift+Alt>を押して、
グループ化を設定する場合は右方向キー
グループ化を解除する場合は左方向キー
だ。
違うのは左右方向キーのみということで、イメージはしやすいはずだと思う。
もちろん行方向にもグループ化できる
このグループ化、もちろん今示したような列方向だけじゃなく、行の方向にもできる。
行方向の、グループ化の設定~解除までを動画にしてみた。
必ず行全体or列全体を選択してからグループ化しよう
上記の例では、行全体or列全体を選択してから、グループ化のコマンドを実行している。
これが、1つしかセルを選択してないとかの状態でグループ化コマンドを実行すると、行か列かを選択させるってダイアログボックスが出る。
どっちが行でどっちが列なのか混乱するし、こんなダイアログが出たら鬱陶しいだけだ。
グループ化コマンドは必ず、行全体or列全体を選択してから実行しよう。
グループ化の重ねがけ・階層化
既にグループ化が設定されている範囲に対し、もう一度グループ化のコマンドを実行すると、グループ化が重ねがけされ階層化される。
下の動画に示すように、折りたたみボタンが上下2階層になり、左端の数字ボタンも1・2・3の3個に増えた。
どの数字ボタンを押すかで、折りたたみの展開結果も変わってくる。
このグループ化重ねがけを繰り返せば、もっと深い階層化構造にしていくことができる。
といっても、そんなことを手作業でやる意味はほとんどないとは思うが。
「手作業で」と書いたけど、手作業じゃない方法でなら作成することもあるので、その辺は次回述べる。
リボンやクイックアクセスツールバーを使っても良い
グループ化の設定や解除は、ショートカットキーだけでなく、リボンの「データ」タブからもできる。
先述のショートカットキーはちょっと複雑だし、リボンからやっても良いだろう。
また、リボンをカスタマイズしてオリジナルのリボンに配置してもよいし、クイックアクセスツールバーのカスタマイズでも良いだろう。
私も長らく、ショートカットキーに馴染めず、オリジナルのリボンからやっていたんだけどね。
最近では、ショートカットキーの方に完全に慣れたので、ショートカットキーばかりでやっているけどね。
ショートカットキーによる悲劇
余談というか、ちょっと恐ろしい話。
Windows10なら良いのだがWindows7の環境で、このグループ化のショートカットキー
<Shift+Alt + 左右キー>
をちょっと間違えて
<Ctrl+Alt + 左右キー>
とやったら、なんと、画面全体が回転する悲劇に見舞われてしまう。
Ctrlキーは使わず、Shiftキーじゃないといけないんだよね。
もしこの悲劇に遭ったら、<Ctrl+Alt + 上下左右キー>を色々と試して、元に戻すようにしよう。
こんなこともあるから、やはり無理してグループ化のショートカットキーは使わないほうが良いかもしれない。
行・列の非表示
それでは最後に、グループ化とは違って推奨しない操作である、行・列の非表示についてだ。
操作は簡単で、非表示にしたい行or列の全体を選択してから右クリックし「非表示」を押せば良いだけ。
一応、
行の非表示→Ctrl+9
列の非表示→Ctrl+0
というショートカットキーもある。
でも、行と列とで操作が異なるのが気に入らないし、そもそも非表示コマンド自体を使いたくないので、私はそれらを覚えていない。
非表示は使わない。グループ化しよう。
冒頭でも述べたけど、Excelシートの行・列を非表示にしたければ、「非表示」コマンドは使わずグループ化しよう。
理由として、使ってみればすぐ分かるが、
- グループ化→折りたたみボタンがあるので、非表示状態の解除・再設定が非常に簡単。そもそも、グループ化の設定が掛けられている状態が、ひと目で判別できる。
- 非表示→非表示状態の解除・再設定が煩雑。パッと見た時、行・列の非表示の設定がなされているのか、判別しにくい。
ということで、グループ化の方が明らかに良いはずなのだ。
「非表示」は右クリックからできるということで簡単そうに思って、やってしまう人も多いのだろうけど、極力やらないこと。
やりたければ、本当に永久に非表示にしっぱなしで隠蔽したいときくらいにしておくべきだね。
非表示状態がパッと見で分かりにくいというのは、見る人に対して配慮が足りないということになるのだ。
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